背中のトレーニング~筋肉と種類~

背中のトレーニング~筋肉と種類~

札幌パーソナルジムB Conditioningの谷口です。

背中を大きくしたい・背中を引き締めたい
といったクライアントさんをサポートする機会も多いかと思います。
今回は、背中の動き・筋肉・代表的なトレーニングをご紹介します。

1.背中のトレーニングは【引く】動き

1-1.背中のトレーニング~肩の動き~

背中のトレーニングを行う【引く】動作では肩の動きが3つあります。
○肩の伸展
○肩の内転
○肩の水平伸展

一つずつ動きをご紹介します。

○肩の伸展
肩の伸展とは【肩を後ろに引く】動きです。
腕を体につけた時を0°として参考可動域(動きに制限がない場合)は50°
広背筋・三角筋後部といった筋肉がメインで短縮し
大円筋・上腕三頭筋長頭といった筋肉が短縮し補助的な役割をします。

・肩の内転とは外側に挙げた腕を【カラダの中心に近づける】動きです。
参考可動域は0°
広背筋・大円筋といった筋肉が短縮します

○肩の水平伸展
肩の水平伸展とは【腕を肩の高さに挙げて後ろに引く】動きです
参考可動域は30°
広背筋・三角筋後部がメインとして短縮し
棘下筋・小円筋といった筋肉が補助的な役割をする


1-2.背中のトレーニング~肩甲骨の動き~

背中のトレーニングを行う【引く】動作では肩甲骨の動きは3つあります。
○肩甲骨の内転
○肩甲骨の下方回旋
一つずつ動きをご紹介します。

○肩甲骨の内転
肩甲骨の内転とは【肩甲骨が脊柱に近づく】動きです。
僧帽筋・菱形筋といった筋肉が短縮します

○肩甲骨の下方回旋
肩甲骨の下方回旋とは【肩甲骨が下側に向かって回る】動きです
菱形筋・肩甲挙筋といった筋肉が短縮します

○肩甲骨の後退
肩甲骨の後退とは【肩甲骨が後ろに傾く】動きです

1-3.背中のトレーニング~肩と肩甲骨の連動~

肩の動きと肩甲骨の動きは独立して動いているわけではなく、連動して機能しています。
○肩の水平伸展+肩甲骨の内転

○肩の伸展+肩甲骨のの内転

○肩の内転+肩甲骨の下方回旋

このように肩の動きと肩甲骨は連動して機能しています。
背中のトレーニングをする時に、動きを意識して満遍なくトレーニングを行えるとバランスよく
トレーニングできます。

2.背中の筋肉

2-1.背中の筋肉~広背筋~

○広背筋
腰・背中・腕につながる最も面積の広い筋肉であり背中の60%を占めるといわれています。

●付着部
腸骨稜・仙骨・第7胸椎~第5腰椎から起始して上腕骨の小結節稜に停止する

●機能
コンセントリック:肩関節の伸展・内転・内旋
アイソメトリック:オーバーヘッド時の肩・肩甲骨の安定
エキセントリック:肩関節の屈曲・外転・外旋のコントロール


2-2.背中の筋肉~僧帽筋~

○僧帽筋
後頭骨から第12胸椎にから鎖骨・肩甲骨に付く、上部・中部・下部の3部位に分けられる筋肉

●付着部
上部:後頭骨・項靭帯から鎖骨の外側後面1/3
中部:第7頸椎~第3胸椎から肩峰内側縁・肩甲棘上縁
下部:第4胸椎~第12胸椎から肩甲骨内端

●機能
コンセントリック:肩甲骨の挙上・内転・上方回旋(上部)、肩甲骨の内転(中部)
         肩甲骨の下制・上方回旋(下部)
アイソメトリック:肩甲骨の安定
エキセントリック:肩甲骨の外転のコントロール

2-3.背中の筋肉~菱形筋~

○菱形筋
大菱形筋と小菱形筋の2つに分けらる。
脊柱と肩甲骨をつなぐ深層にある筋肉。僧帽筋の深層にあるので触診はできない筋肉

●付着
第7頸椎~第5胸椎から肩甲骨の内側縁

●機能
コンセントリック:肩甲骨の内転・下方回旋
アイソメトリック:肩甲骨の安定

3.代表的な背中のトレーニング

3-1.背中のトレーニング~肩の伸展~

背中をトレーニングするためには【引く】動きが必要です。
1パターン目として肩を後ろに引く、伸展の動きのトレーニングをご紹介します。

○シーテッドロウ
【目的】
・安定した姿勢での引く動作の強化
・広背筋、僧帽筋、菱形筋、三角筋後部などの背部の筋肉の強化
【方法】
1、骨盤をたてて座り、逆手でグリップを握ります
2、頭・背中・お尻を一直線に保ち、肩甲骨をさげて胸を天井に向けるように姿勢を保ちます
3、息を吸いながらグリップをお臍にめがけて引きます。息を吐きながら肩甲骨のポジションをキープしたまま戻します。肩を引いて肘を伸ばすイメージです
【注意点】
・肩がすくまないように
・背中が丸まらないように
・骨盤が後ろに倒れないように
コントロールしましょう

○ベントオーバーロウ(アンダーグリップ)
【目的】
・股関節に重心をのせた姿勢での引く動作の強化、背中の強化
・広背筋、僧帽筋、菱形筋、三角筋後部などの背部の筋肉の強化
【方法】
1、脚を腰幅くらいにひらき膝とつま先正面に向けます。
股関節を挟みこむようにお尻をひき、頭からお尻までを一直線に保ち上半身を床と平行になるくらいまで倒します。
2、バーベルを逆手で持ち姿勢をキープしたまま、息を吸いながらお臍のあたりに向けて肩を引きます
3、息を吐きながら元の姿勢に戻ります
【注意点】
背中のアーチを保ったまま頭からお尻までを一直線に保ちましょう
引く時は肩がすくまないように注意しましょう

○チンアップ
【目的】
・引く動きの強化
・広背筋、三角筋後部、上腕二頭筋の強化
【方法】
1、チン二ングバーを逆手で30cmを目安に手を離して握る
2、息を吸いながら、肩をひらいて肘を曲げて上半身をひきあげる
3、息をはきながら広背筋をストレッチさせながらコントロールしておろす
【ポイント】
・上半身を引き上げた時に肩がすくまないように
・腰が反りすぎないように
コントロールしましょう


3-2.背中のトレーニング~肩の内転~

2パターン目として、肩の内転と肩甲骨の下方回旋のトレーニングをご紹介します。

○ラットプルダウン
【目的】
・体幹を安定させて引く動作の強化
・広背筋、大円筋・菱形筋の強化
【方法】
1、グリップの下に鎖骨がくるようにベンチに座りお腹に力を入れて姿勢を安定させます
2、胸椎(胸の背骨)を伸展(伸ばし)カラダをやや後ろに倒します。
息を吸いながら鎖骨に向けてグリップをひきます
3、息を吐きながら、コントロールしながら元の姿勢に戻ります
【注意点】
お腹とお尻に力をいれて体幹を安定させましょう
グリップを戻す時に肩がすくまないように、肩甲骨を下げた姿勢をキープしましょう

○チン二ング
【目的】
垂直方向のロウイングの強化
広背筋・大円筋・三角筋後部・僧帽筋の強化
肩甲骨の上方回旋・下方回旋のコントロール
ロウイングと胸椎伸展の連動
広背筋と大殿筋の連動
【方法】
1、肩幅より広めに順手でグリップを持ちます。
2、肩をさげて背中を活性化させ、踵を合わせて殿筋を収縮します。
3、息を吸いながら胸を天井に向けて肘を曲げてひきつけます。
息を吐きながら肘を伸ばしスタートポジションに戻ります。
【注意点】
カラダをひきつけた時に肩がすくまないように
腹圧が抜けて腰が反りすぎないように
コントロールしましょう

3-3.背中のトレーニング~肩の水平伸展~

3パターン目として肩の水平伸展と肩甲骨の内転のトレーニングをご紹介します。

○ベントオーバーロウ(オーバーハンド)
【目的】
・股関節に重心をのせた姿勢での引く動作の強化
・背中(広背筋、僧帽筋、菱形筋など)の強化
【方法】
1、脚を腰幅くらいにひらき膝とつま先正面に向けます。
股関節を挟みこむようにお尻をひき、頭からお尻までを一直線に保ち
上半身を床と平行になるくらいまで倒します。
2、バーベルを順手で持ち姿勢をキープしたまま
息を吸いながらみぞおちのあたりに向けて肩を引きます
3、息を吐きながら元の姿勢に戻ります
【注意点】
背中のアーチを保ったまま頭からお尻までを一直線に保ちましょう
引く時は肩がすくまないように注意しましょう

○インバーテッドロウ
【目的】
・股関節に重心をのせた姿勢での引く動作の強化
・背中(広背筋、僧帽筋、菱形筋など)の強化
【方法】
1、脚を腰幅くらいにひらき膝とつま先正面に向けます。
2、バーベルを順手で持ち姿勢をキープしたまま
息を吸いながらみぞおちのあたりに向けて肩を引きます
3、息を吐きながら元の姿勢に戻ります
【注意点】
背中のアーチを保ったまま頭からお尻までを一直線に保ちましょう
引く時は肩がすくまないように注意しましょう

背中のトレーニング~筋肉と種類~まとめ

・背中のトレーニングは肩が動く方向を意識しながらトレーニングする
・肩の伸展、肩の内転、肩の水平伸展の動きをまんべんなく
・肩の動きと肩甲骨を連動させる
・広背筋、僧帽筋、菱形筋をコントロールする

ビーコンサロンでは「人と人・人とモノをつなぐ」をコンセプトとして
・トレーナーに役立つ情報
・日常生活に役立つ情報を発信しています

記事を読んで興味がある方はご入会お待ちしています。

この記事を書いた人パーソナルトレーナー谷口嵩幸


経歴

  • 航空自衛隊を満期で退官。
  • スポーツ&メディカル専門学校でアスレティックトレーナーの資格を取得。
  • パーソナルトレーナーや運動教室にて指導。
  • 2019年5月:パーソナルジムB Conditioning設立。
  • スポーツ&メディカル専門学校 非常勤講師。
  • 2023年5月:ビーコンオンラインサロン開設。

メッセージ

ビーコンオンラインサロンをご覧下さりましてありがとうございます。
ビーコンオンラインサロンは、人と人・人とモノをつなぎ社会を少しだけ生きやすくするための総合情報オンラインコミュニティです。
トレーニング指導・栄養指導・ダイエット指導・マーケティングなどスポーツ現場やパーソナルジム・フィットネスジムのサポートでの困りごとや悩みごとの手助けとなる情報やちょっとしたコツとグルメ・ファッション・美容のワンポイントアドバイスを中心に日常の生活がちょっと豊かになる情報をその道のプロにお話しを伺い情報を発信します。

トレーナー向けダイエット&トレーニング情報と生活情報 | ビーコンメディア・オンラインサロンについて

ビーコンではトレーナーとして活躍している方々のダイエットやトレーニングのちょっとしたお悩みやお困りを解決するヒントになる情報と美容や料理などの日常生活に役立つ情報を発信しています。

お問い合わせ・入会

080-1874-2529

リンクパーソナルジムB Conditioning
住所〒060-0006
札幌市中央区北6条西17丁目11-4

お気軽にお問い合わせください。

トレーニングに関連する記事

横への切り返しトレーニングのプログレッションの画像

横への切り返しトレーニングのプログレッション

札幌パーソナルジムB Conditioning(ビーコンでいショニング)の谷口です。
パーソナルトレーナーをしたり、パーソナルジムを経営したり、ビーコンオンラインサロンの運営をしています。
今回は、横の切り返しのトレーニングのプログレッションを共有します。
リロードという考えの画像

リロードという考え

札幌パーソナルジムB Conditioning(ビーコンでいショニング)の谷口です。
パーソナルトレーナーをしたり、パーソナルジムを経営したり、ビーコンオンラインサロンの運営をしています。
今回は、エクササイズ中に腹圧が抜ける対策の一つとして「リロード」を試してみるといいかもというテーマでご紹介します。

スプリットスクワット・ランジの特徴の画像

スプリットスクワット・ランジの特徴

札幌パーソナルジムB Conditioning(ビーコンでいショニング)の谷口です。
パーソナルトレーナーをしたり、パーソナルジムを経営したり、ビーコンオンラインサロンの運営をしています。
今回は、【スプリットスクワットとランジの特徴】はナンダ?というテーマでご紹介していきます。